現状分析のいろいろな手法
2017/03/28
現状分析のいろいろな手法
前回は「SWOT分析」について書きました。
ただ、「自社の強み・弱み」「顧客・業界・世の中の動き」といっても、ピンと来ないかもしれませんので、どのような観点から考えていくかについて少し掘り下げて今回は書いていきます。
そのベースとなるものが3C分析になります。
3C分析を見ていきましょう。
3C分析
・Customer(市場・顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社・従業員)
この3つの頭文字をとって3C分析と言います。
自店や自社の事業が、現在どんな状況に置かれているのかということを、この3つの観点から見ていきます。
それぞれの観点について見ていきましょう。
・Customer
①顧客のニーズを把握します
②業界や市場のニーズの変化、社会の動向などを把握します
社会動向については、「PEST分析」という観点があります。また、業界分析については「5フォース分析」という観点があります。これらについては、後程補足として書いていきます。
・Competitor
①競合がどのような商品・サービスを提供しているのか
②競合が業界や市場の動向、ニーズの変化にどのように対応しているのか
・Company
①自社・従業員は、何ができるのか
②市場・顧客ニーズや競合の実施事項と比べてどのような違いがあるか。自店・自社はうまくいっているのか
この3C分析の観点から出てきた内容を踏まえて、SWOTの形に落としこんでいきます。
上記で出てきたその他の分析方法や、別の観点については、この後書いていきます。これらについては、考えに煮詰まったとき、もれなくダブりなく出せる補足ツールとして使ってみてください。
PEST分析
・P:Politics(政治)
・E:Economy(経済)
・S:Society(社会)
・T:Technology(技術)
この頭4つの頭文字をとっ「PEST」といいます。この観点から行う分析を、「PEST分析」といいます。
自分の業界において影響がありそうな、政治や経済における変化による景気変動動向、法の変更や規制緩和による事業への影響(P・E)、ターゲット層の人口の変化や流行の変化(S)、革新的技術の誕生や普及(T)のような社会的な変化を見つけ出していきます。
そして、これらを、影響を与える外部環境として機会や脅威ととらえるか、またはどちらでもないかの判断をしていきます。
5フォース分析
・顧客(買い手)の交渉力
・供給企業(売り手)の交渉力
・新規参入業者
・代替品(間接競合)
・競合との敵対関係
この5つの観点から分析するものを「5フォース分析」といいます。主に、市場・顧客の把握に利用していきます。それぞれ次のことを踏まえながら分析していきます。
・顧客(買い手)の交渉力
自店・自社と顧客の間でどちらが有利か不利か、その要因は何かをみていきます。
・供給企業(売り手)の交渉力
自店・自社と主に仕入れ業者との間でどちらが有利か不利か、その要因は何かをみていきます。
・新規参入業者
新規に参入してくることが簡単か難しいか、その要因など参入障壁の高さについてみていきます。
・代替品(間接競合)
自店・自社の商品やサービスに代わる代替品があるか、あればその価格、差別化要素は何か、それに対する顧客の認知・切り替える可能性などを見ていきます。
・競合との敵対関係
自店・自社の競合の多さ、自店・自社の所属する業界の成長、ブランド力などから競争状態を見ていきます。
このように書いてきましたが、5フォース分析は、産業全体の分析には優れていますが、個別の会社がどういう戦略をとるべきかというときには弱いツールとも言われています。
その他、分析していく中で利用できる観点を、書き出していきましょう。
4P
・Product(商品)
・Price(価格)
・Place(販路・チャネル)
・Promotion(販売促進)
自店・自社の商品やサービスをマーケティング面から分析する際に利用することができます。
QCD
・Quality(品質)
・Cost(コスト)
・Derivery(納期)
自店・自社の商品やサービス、業務、技術などを分析する際に利用することができます。
現状分析を進める上での注意点
現状分析について書いてきましたが、2点ほど注意点を書きたいと思います。
1点目は、ターゲットをきちんと定めてから始めることです。複数の事業などを持っている場合は、該当サービスも決めた方がよいと思います。
これを決めずに、3C分析やSWOT分析を行っていくと、本来は弱みであるものが強みになっていたり、機会が脅威となっているなど、条件によって変わってくることがあり、後で作っていく戦略や戦術にも影響が出てきます。
必ずターゲットを決めてから進めていきましょう。
2点目は、現状分析に時間をかけすぎないということです。分析にばかり時間をかけすぎてしまうことはもったいないと思っています。
お店や会社の規模にもよりますので、一概にこうした方がよいという度合いというものはありませんが、一度やったら終わりではなく、少なくても1年に1度は経営計画策定時に確認、見直すことをやっていき積み重ねていく必要があると思います。
また、初めて取り組むところであれば、まず初めはできる範囲で行い、年々観点を広げて見ていくように現状分析についてステップアップしていくというのがよいと思います。
以上、ここまで現状分析について書いてきました。
次回は、現状分析を次にどう活かしていくのかということについて書いていきたいと思います。