「中小企業におけるITの利活用」と導入における注意点
2017/08/16
「中小企業におけるITの利活用」と導入における注意点
「IT」「インターネット」という言葉を聞くと、よくわからないとか面倒そうということで敬遠している経営者の方、特に小さい店舗を経営している方においては少なくないと思います。
「ITを使うと本当に会社やお店はよくなるの?」
と、懐疑的に言う方もいらっしゃいます。この疑問は逃げ口上のようにも見えますが、中にはホームページを30万円で作ったけれども全然お客さんが来ないとか、処理を効率よくするためにシステムをいれたけれどもかえって面倒になったということになっていることも少なくありません。
「ITが本当にプラスに働くのか」ということについて、中小企業白書のデータから見ていきましょう。
中小企業を取り巻く環境
まず、現状中小企業が置かれている環境を上げると、
①人手不足
②取引形態の変化
という2つがあげられます。
①の「人手不足」ですが、労働人口が減少しているということもありますが、能力ある人材の確保が難しいとか、売上拡大する営業人材を専門に雇うことが難しいというような状況も入ってくると思います。
②の「取引形態の変化」ですが、これまで強固だった親会社・子会社関係が希薄化してきたことや、 従来型の物流のしくみから変化しているということがあげられます。
そのような中で、売上拡大することや費用を削減することで利益を確保、向上させていくという課題があります。
ITを利活用する効果
このような状況を解決する方法の1つが 『ITの(上手な)活用』 ということになります。
第2-2-1図を見ると、IT投資を行っている企業の方が、行っていない企業に比べ業績が高い傾向になっています。
しかし、この調査では、この高い傾向が、IT投資を行なった効果があって業績が伸びているのか、元々業績がよいのかはわからないのです。
ここで、別の調査からの第2-2-2図を見ると、2010年までIT投資をしていない企業のうち、2010年度に投資を開始し2013年まで継続して投資している企業が、2013年まで投資をまったく行っていない企業に比べ業績が伸びているという結果があり、IT投資は業務効率化や売上拡大に効果があると考えられます。
ただ、数値上では、「ITを利活用すると業務効率化や売上拡大に効果がある」ということはできますが、これは「上手に活用」ということが前提と言えると思います。
文頭のほうにも書いたように、ホームページを30万円で作ったけれども全然お客さんが来ないとか、処理を効率よくするためにシステムをいれたけれどもかえって面倒になったというようなこともあります。
特にITについて苦手、よくわからないという経営者の方が、IT関連に投資する際は、業者の言いなりになってしまい、失敗してしまうことは多々あります。
そうならないように気を付けるポイントなどを次回書いていきたいと思います。
資料出典:2016年版中小企業白書