「経営計画をつくる手順」ってあるの? もう少し本格的に説明しよう!
2017/01/24
「経営計画をつくる手順」ってあるの? もう少し本格的に説明しよう!
前回は、経営をしていく上で「経営計画」のあり方は、
①課題解決や目標達成のためにどれだけ有効な仮説(施策)を出すかということ。
②これらを実行してその結果(成功でも失敗でも)を要因分析し、新たな施策の設定や、ノウハウの蓄積など次につなげていくかということ。
と書いてきました
この範疇であれば、計画の手順は理想の形とは少し違っていても、本質が変わらなければかまわないという話をしてきました。
経営計画を策定する流れ
もう少し、経営計画策定の流れを解説していきます。
まず、はじめに、理念の確認(ない場合は、時間はかかりますが理念を制定したほうがよいと思います。)と現状の把握をします。(「経営理念の確認」と「現状把握))
この理念と現状の間にはGAPが生まれていることがほとんどです。これは経営課題となります。また、常日頃の中で問題や課題と認識していることがあると思いますので、GAPの課題と合わせて、現在の経営課題として認識します。
認識した後は、これらの課題克服に向けた大きい方向性(=「経営方針」)を定めます。
この方向性に則って進めていった場合、ある時点での目安となる到達点を設定します。これが「経営目標」と呼ばれるもので、売上高や利益額、その他出店数やより具体的な達成内容を設定していきます。
この目標達成に向けて具体的に実施していくことが「戦略」であり、その戦略を、日・週・月・四半期単位などで、より詳細に実施していくことを決めたものが「戦術」または「アクションプラン」を策定していきます。
戦術・アクションプランまで細かく落とした動きを、数字に置き換えたものが財務の損益計画(財務の月次展開)ということになります。
ここまで作っておきますと、1ヶ月の予定した動きができているかどうか、定性的・定量的どちらからも予実管理(予算実績管理)ができるようになります。計画したことがどのくらいできているのか、うまくいっているのかいないのか確認ができるようになります。
例えば、売上UPのために実施した施策がうまくいっているかどうか、集客UPのためにおこなった施策で新規の顧客が増えたかどうかなど、その施策の評価もできますし、どのくらいの効果があったか数値面でも意識できるようになります。この結果を元に、次にどうするかということも考えていくことにつなげていくこともできます。
しばしば、1年まとめて確定申告時に経費の入力をしているという話を耳にしますが、少なくとも1ヶ月に1回は締切作業を行い、売上・利益の把握をする必要があると思います。
1年まとめてどんと入れてみて、よかった悪かったと一喜一憂するのでは、場合によっては取り返しのつかないことが起きているかもしれません。月1回の把握をしていれば未然に防げることもあります。
経営は1年や2年で終わるのではなく半永久的に続いていくものです。
過去の経験やノウハウは、その一つ一つが経営の基礎や強みとなっていきます。そのためにもきちんと見える形にして計画と実績(実施状況)を残していくことで、確実に経験やノウハウを獲得し、活かしていく必要があるのです。